ゴールは、刻一刻と迫っている。
ただ、ゴールを焦ることで、見失いがちなこともある。
それを確かめなさいと、誰かが言ったためなのか。
彼女達には、小休止が与えられていた。
第一話
『今ある平気』
新しい何かを求めるたびに
人は疑い問い始める
何も得られないことがないように
生徒会の仕事はいたって順調の、とある秋の日。
生徒会協力者の少年である七末雪太は、近頃、とある事情で自分らしさを失いかけていた。
そんな彼に、資料室の主・宮沢有紀寧から救いの手が。
「気になる人の本心を聞き出すおまじないって言うのが、この本に載ってまして」
ゆきねぇマジックによる天然の誘惑。
この誘惑に、雪太はどう対処するのか？
そして、
悩みぬいた末の結論は、雪太に何を見せたのか？
第二話
『今ある勇気』
答えを出そう
今すぐに
例えどんなに怖くても
「ホント、もうすぐって感じだねぇ」
「だが、まだ終わっていないぞ天草」
迫るゴールの前に、坂上智代と天草千夏の心境は複雑。
ただ、その心境になったからこそ、千夏はとある決意を胸に抱く。
その決意の先に待ち構えていたものは。
割烹着のおねいさんと、妙なじーさんだった！
…………。
下の台詞の意味は皆さんのご想像にお任せします。
第三話
『今ある元気』
少しだけ時間が欲しい
君に話を聴いてもらうための時間を
千夏は今まで隠していた胸の内を智代に語り。
智代は、知られざる千夏の決意を真っ直ぐに受け止めた。
友人として、同志として、二人は共にゴールすることを改めて決意する。
そして、二人は――
